かみさまのガチャガチャ/一尾
 
判断してはいけないとだんだん思うようになってきた。世界は彼のしくじった試作なのだ。作者を愛していれば、失敗した習作でも――それほど非難せずに――黙っていられるだろう、そうじゃないか?』

 ゴッホも若干かみさまのやる気のなさに気付いていたと見える。というか信仰があれば尚、神がいるのにどうして多くの酷い物事が起こり得るのかと言うのは当然突き当たる疑問だろう。ゴッホは絵描きと言う自分の地盤から世界は習作と言う見方を捉えた。そうなれば寧ろ許してもらうのは私たちではなくかみさまの方なのでは、という逆説的解釈も現れるのではないか。ゴッホは優しいから作者を愛してあげるらしいが、私は根性が曲がっているからお
[次のページ]
戻る   Point(4)