情けはいらぬ。/駒沢優希
 
情けはいらぬ
では 目の前の
てんこ盛りの皿に
何を申す
待てど暮らせど
さみしくて
恋衣

足早に逝く
風が身を切る
足搔いたところで
左様、空の下
吐いて捨てるほど
赤い靴
羊の子

この肩に降り積む
静かに
この肩に降り積む
海の彼方を忘れてしまう
あなたに 遠くて あなたに
海の彼方から来たってのに
知らない
何も知らない
まだ

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