だからタンゴを踊りましょう/中山 マキ
 




不思議ね、
悲しいことは平等なのに
嬉しいことは不平等

優劣が避けられない
年齢を重ねても
自然と大人にもなれないし
誰にも優しくなれないの

ただ道を歩いているだけなのに
人がぶつかって
不機嫌に行き過ぎる

一生懸命走りながら向かう場所
たとえ辿り着けなくとも
必ず変わりはいることに
無気力と安堵が共存して

満足している明日が
何処にもないような気がして
絶望する

それでもね
どこかの産婦人科では
今、この瞬間に子供が産まれ

人々の日々の大半が
何も掴めていなくてもお構いなし
どこかの病室は
喜びに満ち溢れて

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