雅情/黒ヱ
「高く 飛んでいる 者よ」
その息を耐え 焔の先に何を見たか
翔んで行く音 携え 心に想う花
結びの先 拓けて行く道 渡る舟の上
ここからでは見えないものを 眺める二つ眼差し
飛び越えては 飛び越えていく その先へ
ここではなく その先へ
今ではない その先へ
「いつか・・・」
そう呟いて 再び 紡ぐ口約束
渇いて香る風の乗る またこの季節さ
寒さに 冷たさに 目を瞑る 切なさよ
「会いたくて」
お互いの為の羽だから 一人では このままでは
共にいるその時が 忘れられず
残るものと そうでないものの 重さ
どちらも儚く温かい
それだから人は美しい
「高く 飛んで行く 者よ」
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