青いひつじ/月乃助
{引用=
心の 光合成らしきものを
うしなった日
一人掛けのテーブルに
書置きをのこし
家出する
…
…そこは、街路のきえた荒地
枯れ葉が、錯乱したさき
風の音に リュートのしらべが重ね
悲しみは、いつも荒野をさまよい
息を止めるように 心を停止し
感覚だけの 応えをもとめる
精神は、きまって意識の野辺をただよう
時間に隷属する下僕に なれず
たちすくめば
人が口にする
努力がむくわれるという
その神話は、誰の手によるのか
遊牧の民がむこうに
とおりすぎた
ふりむいた
青い瞳の少年は、巻
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