青いひつじ/月乃助
 
{引用=
心の 光合成らしきものを
うしなった日


一人掛けのテーブルに
書置きをのこし
家出する




…そこは、街路のきえた荒地
枯れ葉が、錯乱したさき
風の音に リュートのしらべが重ね


悲しみは、いつも荒野をさまよい
息を止めるように 心を停止し
感覚だけの 応えをもとめる


精神は、きまって意識の野辺をただよう


時間に隷属する下僕に なれず
たちすくめば


人が口にする
努力がむくわれるという
その神話は、誰の手によるのか


遊牧の民がむこうに
とおりすぎた


ふりむいた
青い瞳の少年は、巻
[次のページ]
戻る   Point(8)