詩の構造について 詩と向き合う/葉leaf
恋人に会いにいく詩の主体とが、どのような構造をなしているかについて、読者の意見は一致するでしょうか。多くの読者は、ミツバチのモチーフと詩の主体とは並列関係にあり、せいぜい詩の主体がミツバチを認識しているという構造があるに過ぎない、と思うことでしょう。ですが、中には、恋人に会うがゆえに上気している詩の主体の心理が、ミツバチの陽気さ・動きの煩雑さに類似するという関係にある。あるいは、上気した心の速度が速いために、ミツバチの巣穴にまで詩の主体の想像が及ぶという関係がある。そのような構造を見出す読者もいるでしょう。
ミツバチのモチーフと詩の主体との織り成す構造はそれほど客観的ではなく、読者の主観によっ
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