ちくちく/はるな
せていく。そして季節に一度すればよいかしなくても良いかになったころ、その習慣は行動を超えてわたしになじんでいるというわけです。これが健全な方法であるとはわたしは思っていない、わたしは、悲しい。死はほんとうはそんなに良いものではないかもしれないけれど、わたしにとってはとても良い、いい匂いのする、親密な自然になった。わたしはわたしの周囲の、何人かの人々がそういうふうにはわたしを導きたくはなかったことを感じているので後ろめたい。ただしわたしは生きようとしてこのように進んだ。生きようとすることは考えれば考えるほど、ためしてみればためしてみるほど、死ぬことが自然に寄り添うものだった。
ちくちくと時計を縫っていると、そんなふうに自分も縫われてきたのかもしれないと感じる。成長して理解できることがたくさんある。でもそれだからといって納得できない。わたしは、成長したいまではなくて、そのときに理解したかったことがたくさんあるのだ。
戻る 編 削 Point(1)