ピアス/北橋勇輝
 
強烈な光が飛び込んできた
それは小学生がボールを追いかけるようなスピードで
雨が降っているね
君はだるそうに言う
ねえもういいだろ?
そろそろ光、射して

可愛い耳たぶに光るピアスを付けて
君は言う
「痛くなんかないよ」
違う違うそうじゃないよ
僕が確かめたいことは
神様がいるかどうか
それだけが気になる

ねえ、もういいだろ? 神様ねえ?
顔を出してよ
七歳のときにやった万引き
まだ怒ってるのかい
もう時効だろ

ねえ神様、光と共に出てきておくれよ
コンクリートの上に美味しい御飯置いておくからね
君は気に入ってたピアス、鰐がいる川に投げた
理由聞くと彼女は言う
「あいつも同じの付けてたから」

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