初雪/月乃助
 
に、、


 隠すすべがあるばかりに
裸心を 裸体をさらすことが できないのなら


 鏡のなかに 降り始めた
雪に 赤裸々
あらゆる衣を ぬぎさる


 白い雪の影
白い肌は、いたいたしいほどに
若さをたばね しなやかで、


 そのすがたを凝視しながら


 僕は、不純性になろうと
鏡台の小さな引き出しの
母の紅を手にし
おのれの唇に 濃く 紅く
それを 曳く







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