花の御心を生きるひと /
服部 剛
をそそがれる美智子様は
これからも人と人の間に
透きとおった橋を無数に架けるのでしょう
天皇陛下に片腕を支えられ
飛行機の入口へと続く階段で
歩幅をあわせ
ゆっくり上る後ろ姿を
見送る僕は、テレビを消した後
人の心の根となるような
夢追う人の翼となるような
言の葉を紡ぐ人となれるよう――
只、深々と頭を垂れて
テレビの前で、黙礼をした
戻る
編
削
Point
(6)