波長/シホ.N
 


しなしなと
深夜のラジオが
ひなびて曲を鳴き奏でる

くるくる風括る
晩秋は
始めとも終わりともなく

じりじり
砂を嚙む
ときの流れのとどこおり

いつともなく
生かされている
いっぽんの棒

びょうびょうと
行き場うしなった
波長をはかる


戻る   Point(4)