フラスコワンルーム/こめ
 
生きているのか生かされているのか分からない今

気が付けば歳だけ取るばかりで何も掴めていなかった

いつかみたあの風景をもう一度確認したくて歩いた

所詮はただの気休めでしかない事など分かり切った物だ

灰色の壁に描かれた色彩豊かなラクガキを

これが世界の真理なのかと誤認する

思いが交差して交わっていつしか一つの線になる

無邪気に笑う子供達はこの先に待ち構えている暗闇を知ることになるだろう

新たしい朝が来た何も変わらない絶望が

右から左へと行き交う人たちの気持ちなど

分かる方が可笑しいと思っています

ワンルームの世界から始まる物語はきっと

それはとてもとても青く濁るフラスコの中から

背伸びをした序章なのかもしれない

つまりはそれを認められない愚かな僕は

今日も誰もいない部屋に向かって話かけるのだろう
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