青年漫画を読むようになった君へ/北橋勇輝
毎朝七時五十分キヨスクで見掛ける君は
今週のヤングマガジンと甘すぎない菓子パンを購入する
まだ誰もいない教室で
君はグラビアに夢を見るのだろうか
もううんざりなんだろ? 少年漫画は
もううんざりなんだろ? 少年漫画は
二百四十円で学べる努力、友情、勝利
十七歳になった君は嫌々、大人になった
豪華すぎる連載陣と見えなくなった同級生が
全て愛おしく思える
もう気付いたんだろ?
少年漫画に学ぶことは何もないって
次に配られたのは青年漫画
もううんざりなんだろ? 馬鹿な読者に
もう飽き飽きなんだろ? 自分自身に
期待してんだろ? 創作活動に
やっぱり好きなんだろ? 馬鹿な読者が
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