無一文の今日/モティーコ
無一文の今日
近所の古本屋を何件か回って
ジャンルごと本売り分けた
最後のブックオフで買い叩かれた
それでも今日、実に清清しい気分になった
別れた本にありがとうと言うのも何だか空々しい
僕の本棚、今日から詩集を置こう
幻想文学、アート、漫画、叔母さんからもらった本にさようなら
図書館で借りた本が何十冊
部屋に散らばってる
風通しのいい部屋だから
僕も散り散りになって風に飛ばされよう
空っぽに見える僕と本棚
電子書籍と青空
生きる権利を買い叩いた
野菜を買った 肉を買った お米を炊いた
落ち着いたし、悲しかった、虚しかった
僕の個人的な夕暮れ
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