架空の行方/中山 マキ
 












練り香水の種類が増えるのは
誰のせいでもない
ただ私があなたに気付かれたいと
簡潔に言えば
そういうこと

あなたの視線が横切る
無作為に伸びる白く長い腕
私はどこに行けば
捕まらずに済む

白けるほどの矛盾
まるで少女のようで
馬鹿みたい
楽しみ

傾き一つで意志疎通する
喜びと恐怖の紙一重
入り混じる色々
気恥ずかしい
安っぽい喜び

反射的に否定したくなる
自分らしくない
大人になると弱くなる
理由がないこととは何か

あなたがここにいなくても
そこにいる
存在は見えないけれど
そこにある重圧

どうしてか
いやに胸が
いつも熱い










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