今夜は無題/左屋百色
 
夜がきた (おやすみ

夢の中で君に指と唇あげる

午前四時

君の左手首から現代詩あふれだす

月の裏から声

私は百年ぶりに私の声きいた

ざらざらしたものすべて

澄んだ秋空に右手で投げつけろ

夏の言葉を焼き尽くせ

花の背骨が折れたので

小さな栞をつくりました

君が私の詩をよんでくれるなら











この空白に使ってほしい

朝がきた (おはよう

栞はあげる

指と唇はかえしてよ
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