Trick or treat/月乃助
{引用=
冬立つ月の夜
南瓜に火をともす
ゆらぐ明かり
ゆらぐ 影も 心も
ひととせの 時のはざまの、いつかより
旅芸人たちがやってくる
誰もが 物の怪さながら
おとなす 重い足取りで、
人のものさしなど あざわらえ
半人半獣がやからども
蹄の足に 白亜の角や
ねぎらいに 人めくための餌 か
馳走を飢えもとめ
赤い灯明の導(しるべ)を 枝折りさながら、
「「 黄泉からまいった不形のものですじゃ
呪いがおいやならば、どうか
わずかなりとも おめぐみを
透垣のむこうの影に 小銭を
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