たなかあきみつ詩集『イナシュヴェ』について/葉leaf
、そのような暗黙の技術的な知によって作り出されているのであり、それがなかったらただの単調な作文で終わってしまうし、ただのイメージの羅列で終わってしまう。
また、たなかの詩行には命令などのニュアンスが付加されていることがしばしばある。「着地せよ」「踏み鳴らせ」のように。ここではニュアンスが付加されていると同時に、詩行がひとまとまりとして統合されているのがよく分かるだろう。命令でなくとも、「眺めれば」のような条件であるとか、「生き急ぐ」のような断定であるとか、とにかく詩行を一つ終えるにあたって、たなかはその詩行に何らかの統合と意味付けをしようとしているのがよく分かる。たなかの詩行は多方向に屈折して
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