カレンダー/アマメ庵
 
レンジも、掃除機もないが、車は持っている。
なんだか、吉幾三さんの歌を連想させられる。
外で仕事をしているので、部屋にいないことが多いが、部屋にいるときは当然にこの部屋で食事もする。
部屋には目を向ける場所がこれといってないから、必然と言うか、見るとはなしにカレンダーの写真を見ていることが多い。
そもそも、部屋に色彩がない。
カーテンも、シーツもブラウンのとてもシンプルな柄のものだ。
置物やポスターの類はない。
取り込むのが面倒であると言う理由で部屋干しされた洗濯物は、濃紺か黒の作業服ばかり。
カレンダーさえなければ、部屋をモノクロームの写真にしたとしても、それがカラーなのかモノク
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