面白い言葉/中山 マキ
神様を信じていたのは
私が実に4歳の頃
親の見栄と意地で入れられた
白人がうろつく幼稚舎で
馬に乗せられ、ピンクのドレスを着せられ
ミンチン先生のようなマニュアル教師に
とことん聖書を聞かされて
15の頃には存在しないものと存在するものを
きっちり分けられる思考回路を確立していたのよ
手引書を片手に裏返した予言を鵜呑みにするならば
今頃私は誰かと結婚していた
その程度の予言の結末が
あなただったかどうかなんて
それはこの際どうでもよくて
日常生活に匂い立つ凹凸を埋めるため
そこいら中に転がっている
例えば だけど でもね 実は、なんて
実は思うほど上手な言い訳でもないので
容易に捨て去ることも出来る
長崎辺りの白い焼き物の骨壷が綺麗でしょう
お先にどうぞ、と分け与えられたら
粛々と受け取って私は考える
面白い言葉がいい
いざという時こそ笑えよ!
だから
どんな言葉をあなたに送り届けてから
ここから飛ぼうか
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