飯島耕一さんとのいくつかの出会い/中川達矢
たのと、授業での発表やら発言やらに対する周りの反応ですっかり勉強に対する自信がなくなってしまっていたと思う。
そんな中、指導教授からの推薦で学内の小さな学会で発表することが決まった。決まったことはよかったのだが、その発表内容は白紙状態だった。
そんなある日、指導教授と詩の話をしていた時のこと。「この飯島耕一さんの詩集を読みなさい。とりあえず『ゴヤのファースト・ネームは』を読むといいよ」と言われ、度々聞いてきた名である詩人の詩集をようやく読むことになった。
『ゴヤのファースト・ネームは』に対する読後感は今でも忘れない。この詩集を読んだからこそ、自分のデプレッションは解決されたと言っても過
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