A River Runs Through It/あおば
もならないうめき声が
タイヤからの不連続な突出を
日々何事も無いかのようにやわらげる
混じり気のないキッスのくりかえし
三条の微かな轍を残し
原色の景色を嘲笑い
赤と黒のしがらみを
山川に架けた咎で
逆さ吊りの刑にされる
おとなしい山男たちを
拷問用の
嫌らしい色をした金属バットで
ぶちのめすエコロジストたちは
悪いのは奴らだとうそぶいて
どこまで行っても
渡ることの出来ない川辺の道を
けたたましい音を立てて
迷惑色のオート三輪車を走らせる
今朝も
通りすがりの
百済観音の干涸らびた内蔵のような
乾いたガジュマロの気根を束ね
明るい眼をした加工場に運ぶ
屈託のないアンドロイドのように
快活で健康そうな青年たちは
朝早いうちから
中央くろがね販売株式会社に
ずらりと並ぶ
ハリケーン125ccバイクの
張り裂けるような音を聞きたがり
なだらかな勾配を求めて
この川辺にもやって来て
思い切り水色のアクセルを吹かし
朝寝坊する勤勉な狡賢い盗人たちを寝不足にする
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