あの日覗き込んだ照準器の十字架Destiny/北街かな
 


 夏休みの終わりを告げる残酷な音が、晴れ渡っていたはずの空を埋め尽くしてゆく。

 縁側から顔を出して見あげた。頭上をぎっしり埋めているのは色とりどりのヘリコプターの群れなのだ。真っ青な空にぎっしり、ぎゅうぎゅう、プロペラをビリリリビリビリとしつこく鳴かせて、空中の高いところで静止している。ほんとにたくさんだ。すごい数だ。
 たくさんだなんて日常語句なんかじゃ形容しきれないくらいには限界を超えたたくさんのヘリコプターのせいで空は暗く重い様相に変化して、シリアスな闇が一帯の山間部に走っていく。夏の終わりに相応しい光景じゃないか。
 ヘリコプターで出来た鉄の雲は、綺麗に透き通っていたは
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