鶴のおんがえし/月乃助
 
{引用=
抱きとめるのは、 
 こんなにも
 どんなにも
 悲しいこと


行き惑う身は、心のつばさも
 なんの役にもたたないと、
 きみはひとり
 街の明かりに唾をする


ドードーのように つばさが
 飛ぶためになど ありはしないと
 心にきざみながら


大量消費される快楽に
 悲しみさえも、大量生産される
 巨きな街にすがる 
 少女 は、


いつも血まみれで
 自分を大切にするすべを おしやる


指をふれれば、


腕のなかの つめたい体に、
 涙が、(まっすぐに落ちる)自然の法則らしきものを証明するのを
 僕は、手の
[次のページ]
戻る   Point(5)