鶴のおんがえし/月乃助
{引用=
抱きとめるのは、
こんなにも
どんなにも
悲しいこと
行き惑う身は、心のつばさも
なんの役にもたたないと、
きみはひとり
街の明かりに唾をする
ドードーのように つばさが
飛ぶためになど ありはしないと
心にきざみながら
大量消費される快楽に
悲しみさえも、大量生産される
巨きな街にすがる
少女 は、
いつも血まみれで
自分を大切にするすべを おしやる
指をふれれば、
腕のなかの つめたい体に、
涙が、(まっすぐに落ちる)自然の法則らしきものを証明するのを
僕は、手の
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