神無月の朝/月乃助
 
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「 そんな 時代でした
  また この月をむかえるのですね


       *


青年は 凛とし
少女は ひたむきなうつむき顔
 

( 二度と会えないと けして、
  どうしても 信じることのないように )


言の葉がすべて、意味をなくす
 さざめく 朝


「「 母が、僕の好きなおはぎを作ってくれました
   朝から 食べていきなさいって


誰もが 誰かを責めたくて涙をおとす


「「 おえらい 立派な兵隊さんなどにならなくて
   良いのです
   ただ、ここへもどっておいでなさい
   そう、言っていました

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