ためいき/
そらの珊瑚
わたしが
命をもらった日から
吸って吐いて
繰り返されてきた
呼吸の仕組み
その息は
かじかんだあなたの指を少し温め
その息は
幼子の風車を廻し
その息は
ケーキに灯されたろうそくを吹き消し
その息は
海のなかの小さな泡となり
その息は
オカリナとともに歌を生み出す
最後のひと吐きは
いよいよ からになるための
営みになるだろう
あれは誰の息だろうか
ほら、
空一面を桃色に染めてゆく
宇宙の仕組み
戻る
編
削
Point
(17)