季節外れ/くみ
行くと必ずあったよね」
「風鈴?そうだなー、俺の田舎にもあったっけな」
「うん。小さい時は家族3人で田舎のお婆ちゃんの家に行って縁側でかき氷とかスイカを食べたり、夜は花火したりしてさ…楽しかったな」
「今年はもう無理だけど、来年は一緒に行くか?俺の田舎」
「うん。前にも1回連れて行ってくれたよね。また行ってみたいな」
夕陽がゆっくり落ちていくのかいつの間にかフローリングに2人の影が出来ていた。ふと恋人の方を見ると薄暗くなった部屋に自然の光で照らされている恋人の顔は昔と変わらずに綺麗だった。
「なに見てんの?」
「なにも」
「嘘つき…恥ずかしいからそん
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