芸術家と結婚する/朝焼彩茜色
貴方の祖父は画家
貴方の父も母も阿蘇山を駆け上がる 馬の姿を描いていた
貴方の弟も絵をふすまに残していた
でも貴方は描かない
すぐに脱いでさしあげるのに
私のささやかな夢の一つなの 裸体の曲線が生きている間に
貴方は芸術のエッセンスにきっと 打ちのめされて生まれて来たのかもしれない
芸術の素晴らしさに結界を無意識に色彩を乗せ
素朴を噛みしめて現実を正面から受け止める リズムの崩れない強い人
心の余分の隙間に その憧れは確かに存在する
芸術家は憑かれ 守り風を戦ぎながら 喰いしばって戦い 祓いながら
自分を愛さなければ 明日は生きていない
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