詩/そらの珊瑚
 
沈まぬ寺の鐘が鳴ると
ごんべんに響き渡り
詩というものが芽を出した

救済であったり
現実からの逃亡であったり
魂のゆくえに思いを馳せたり
本質であったり
虚像であったり

見ず知らずの明日であったり

夜半から雨が降り続き
 
あなたのことを
     知っています


耳かき
ひとつぶんの雨粒を

どうか健やかに育ちますように


やわらかな塔の上に
ふり
かける
戻る   Point(10)