ジンジャー &エール/るるりら
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むかしから廃れていた街だった
それでよかった 気にもとめなかった
隣にいるべき人が この景色には居たのは
あたりまえ
故郷とは そういう場所だった
潮風が吹いていると言われても なにも感じない
海と空の青に シーサイドホテルの白は
胸が痛くなるど 白く 健康的で泣きたい気持ちになる
泣いてませんから泣いてませんからと 心の中で 繰り返し
整地の歩道をぬけて山道に入る
蜘蛛の巣をはらい
つづく石段を登りきると
うつくしいお決まりの海がすっかり隠れている
さきほどまで聞こえていた船の音も
ヘリコプターの音も聞こえない
ただ 一輪 生姜(ジンジャー)の花が咲いていたた
たったひとりで 放つ光と香に 私は向き合った
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