静寂/祥希いつみ
 


茜色の夕景に
深く肩を落として

聞こえない音に
耳を澄ます


流れ着いた場所で
振り返ってみても

瞼の裏側に帰ることは
できないけれど


夕刻の光の
あまねく流れゆくものの
やさしい振動数に
こころが揺れるとき

すこしだけ

眼差しが
柔らかくなる








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