二つのソラリスについて/渡邉建志
 
は海を前に苦しむ、海のせいで、精神的に苦しむ。(しかし、一方で海も苦しんでいたのではないか?)
 「人類みな平等」とか、「話せば分かる」とか、「人間だもの」とか、そういう思想を宇宙にまで敷衍したときに、こういう問題(進んでいるとか進んでいないとか、そういう問題ではない、別の体系の進化、理解不能なもの)に突き当たるかもしれない、というレムの予想。さて、地球のことをひるがえってかんがえてみると、本当に国際コミュニケーションは必要だろうか、という問題につきあたる。たとえば、ジャングルの奥に住む『原始人』と交流を持とうとすること。彼らに『現代文明』を教えてあげようとすること。そこには、「文明とは、数直線
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