風の通り道/そらの珊瑚
故郷の小学校の
同窓会の案内が届く
行かなければ
一生会わないだろう人がほとんどだけど
行かなくても
風のたよりが知らせてくれる
いつかのこどもたちが
私と同じ年月のオトナを身に着けていることを
風はなぜ通るべき道を知っているのだろう
さようなら 風のこどもたち
何億年も前から
きみたちは軽やかだったし
これからもそうあり続けるのだろう
長所や欠点がもしあるとしても
混ぜあって
えいえんのこども
透明な後ろ姿を見送ったら
タイマーの電子音が鳴り
私の一日が始まった
白いごはんが
ハミングまじりで炊き上がったよ
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