cadenza/syuon
 

言葉はまるで埃のよう

陽に透ければ多少の見栄えもするけれど

所詮はただの塵芥 腹の足しにもなれはしない


深夜零時の交差点で

ゴミを相手にワンツーステップ

星が消えた空を見上げて

孤独を肴に月と乾杯


(寄り添い合うあの星々の間にも)

(何万光年という)

(途方もない虚空があるのだ)


霞を食べて生きる仙人と

塵を積み上げて遊ぶ私たちは

案外似たもの同士なのかもしれないね


(切り立った岩の上に立つ)

(その孤高こそが滑稽で)


手に手を取って踊ろうか

調子外れの深夜のサイレン

綿のかわりに空虚を詰めた

最愛なるかな 私の人形


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