cadenza/syuon
言葉はまるで埃のよう
陽に透ければ多少の見栄えもするけれど
所詮はただの塵芥 腹の足しにもなれはしない
深夜零時の交差点で
ゴミを相手にワンツーステップ
星が消えた空を見上げて
孤独を肴に月と乾杯
(寄り添い合うあの星々の間にも)
(何万光年という)
(途方もない虚空があるのだ)
霞を食べて生きる仙人と
塵を積み上げて遊ぶ私たちは
案外似たもの同士なのかもしれないね
(切り立った岩の上に立つ)
(その孤高こそが滑稽で)
手に手を取って踊ろうか
調子外れの深夜のサイレン
綿のかわりに空虚を詰めた
最愛なるかな 私の人形
戻る 編 削 Point(1)