断片/渡辺亘
 
声にならない想いを
どう伝えよう
言葉はいつも役に立たない
秋口の住宅街を歩く
電線には名も知らない鳥
焼き付くようなおもいと共に
思い出される過去
空虚が約束された今
見えない未来
君への想いを
どう伝えよう
言葉はいつも役に立たない
叫んでいいのか
泣いていいのかさえわからない
それほど整理がついていたら
こんな歯がゆいおもいはしてはいない
声にならない想いを
どう伝えよう
言葉はいつも役に立たない
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