曜日感覚/rock
 
心不全のため死去>。「モナリザ」が夜の街に微笑むのを見ながら僕は電光掲示板にその文字をみつけた。クラクションの音がひっきりなしに聴こえる。耳障りな不快な音。テールランプが明滅しながら、限りない数の車が目の前を走り去っていく。カルネデスが死んだ。僕の唯一の目的はいま消えたのかもしれない。
明日、再び日曜日の競売が始まろうとしているのに。

レヴィ氏が管理しているムトロリタという場所で競売は始まった。もうだれも時間を巻き戻すことはできない。鉄柵の扉は開かれて、世界の富豪たちはローマ神殿風に造られた建物のなかへ案内されていく。赤い絨毯が血で染まっていることに、馬鹿な金持ちたちはだれも気がつかない。ふいに僕は自分のシャツに紅いしみができていることに気が付いた?血?いや、違うボンゴレ・ロッソのトマトソースが洗濯しても落ちなかったのだ。

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