曜日感覚/rock
まっさらのシャツにボンゴレ・ロッソのトマトソースがついてしまう日曜日、葉巻を吸い紫色の煙をくゆらせるのはドン・カルネデス、追跡はまだ始まったばかり。
だれもがあの平和な午後を境にして、変ってしまった。カルネデスに関わったばかりに追跡者たちは幽閉され、競売はついにカルネデスの思うつぼになってしまう。
僕はある雨降りの月曜日、タクシーを止めようとしている韓国人女性をみつける。彼女の名前はルーシー。愛称なのか本名なのかわからないけど話しかけた途端に、名前を名乗ってくれた。ルーシーは夜の街のひかりのなかを泳いでいく。車道をよこぎってみずたまりを踏み、ひかりが弾けていく。靴を汚すこともためらわない。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)