WORD+L=WORLD/阿ト理恵
 
ありのままをみせる蟻はいないけど、わたしたちはあるがままに暮らす人だったので、ゴシック体でゴシップ斜め微笑み返しでお互いの口の中へウィスキーボンボンを放り込み、舌べらで潰しあった。薄っぺらな唇を噛んで、ひっぱりあいっこして。小刻みに上下している喉仏を薬指の腹でなぞる。無駄に青白い肌が桃白くなってゆく甘いに酔うみたい。

ところが、透明って「見えない」ことではなく向こうのものが透けて「見える」ことなんだって、
うすうすあけていた眼が真実を告げる時がきてしまっていた。

話されたことばは、手元から放されてどこに記憶されてゆくんだろう。

SeeneeS

しりとり、スエーデンで負けて眠りたかったんだ
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