小さな視点(詩評)/アラガイs
ンヌの絵画にみられる様に、彼が自然に即しみつめ続けた空間の構築が、その自然を超えてわれわれがみつめる絵画に存在そのものとして反映されるからではないだろうか。
物事を例えるときに、木をみて森をみない 、と、 評されることがある 。
詩の批評に於いては、定義されたように文節だけを取り出して、そこから自説を展開し解釈へと導かれることがある 。
しかし気をつけなければならないのは、詩がひとつの木の枝から派生しているのではないということだ 。
木やその枝の形状に眼を奪われるばかりではなく、それがいかに森全体へと結ばれ、若しくは派生しているのかを見渡せる批評でなければ、描かれたものの本質は見抜けないであろう 。
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