小さな視点(詩評)/アラガイs
られた花弁の色合いや、木の枝に息吹く葉形、この両者の感情がひとつになってこそ、われわれは美しさを感応できるのだ 。しかし、当然ながら花や木の感情をわれわれの眼で認知されることはない。つまりここで言う花や木をみつめる、若しくはみつめられるものとは、われわれが直接みる視点そのものと、それらから感受され作用されたわれわれのもうひとつのこころの視点なのである。
このふたつの視点が接触されてはじめてわれわれは美を意識し認知できる
あたりまえのようだが、感覚とはそのようなものなのだろう 。
鑑賞する、された絵画は自然を模倣する、或いは鑑賞する、された自然は絵画を模倣するという。このふたつの対象はセザンヌ
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