小さな視点(詩評)/アラガイs
 
意味している。
味覚とは食べてみてはじめて知覚される。
どうしてもリンゴが苦手なひとが、一度その味を知れば二度と手にすることもないだろう。
さて、ここに引用されたバークリー主教のリンゴの一説を、日々何かと忙しく巡視されるわれわれの瞳を癒し、やすらぎを与えてくれる花や自然の美しさに起き換えたらどうだろう 。
たとえば庭先に植えられた花や木の姿そのものに美しさはなく 花や木々そのものは美しさをもたない 。それをみつめるわれわれの眼にも美しさは映らない 。ではここで言われる接触とはなんだろう。それは視線による接触ではないだろうか。自然のなかに在って、みつめるものとみつめられるもの。植え付けられ
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