テンパラメンタル/みけねこ
 
ぜて、シャボン玉みたいにフウッっと飛ばしたような、繊細な風が吹いた。
 
 そしてそれがリカコの正体だった。リカコは小鳥の声をしたそよ風だった。

「さぼりなら一緒に遊ぼうよ、ここで一緒に踊ろう、ねぇ、夜明けまで、星がくずれるまで」

 リカコが私の腕に触れた。それは綿菓子の感触で、ふわふわして、私は瞠目した。
 たちまち夕日が西に落ちて、黄昏に2人の影が長く伸びた。
 オレンジ色の視界に、陽の光に染まらない繊細な洋菓子のリカコが、目を細めて笑っていた。
 
 私はリカコの手を握って、ラズベリーソースみたいに、今にも滴り落ちそうなロゼピンクの小さな唇に触れた。リカコはそう、華奢
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