しんちゃんとてすと/自転車に乗れない女の子
ような気持ちになってしまいました。
友子ちゃんはその『答え』に納得していないようでしたが、それからは何も言わずにずっと俯いて、爪に塗ったマゼンダ色のマニキュアを眺めていました。
ところでしんちゃんは知っていました。
友子ちゃんもクラスのみんなもその問題に丸をもらっていたこと。
自分だけがバツだったこと。
しんちゃんは全部知っていました。
しんちゃんはテスト用紙を見直します。
『問10・あなたは何のために生きていますか』
勉強の得意なしんちゃんですが、この問題には何も書けませんでした。
答えなんてない。
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