ユニセフ/月乃助
{引用=
黒い肌の女が 枯れ枝のような
赤子をだいていました
たまゆら
乳飲み子は、欲するものがえられないと
それを知ると、女の乳首を舌でおしだした
砂塵の風
大いなる母は、古木に背をもたせ
やせおとろえた子に 瞳ざしをおとす
涙は とうに干からび
神への注文表は、余白がないほどにうめられた
千代のむかしより 貧(とも)しさは人とともにある
でもそれは、
僕のせいではないのです(・・・・・・・・・・・)
天使のような顔をして
わずかな硬貨をにぎりしめ、
一人の赤子を助けたところで、
一人の赤子を
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