夜の数えかた/マーブル
夜の終わりを
123数える
不思議とこの町には
生き物の気配がない
あるのは静寂に満ちた
silver moon
雲の隙間を塗っている
ハンカチーフには
春に咲いた花びら
テンガロンには
絵はがきが一枚
思い出と語るには
まだ早い気がするよ
その色も
走り書きも
鮮やかに目に飛び込んでくるから
また戻ってくる
夜の音色に香る風
ひんやりとした
夜の微睡みの中へ
ゆっくりと
下ってゆく
そのとき僕は気づいた
月明かりから
白い長い階段があるのを見たんだ
あれは天国への道か
僕はその白く今にも
消えそうな霧のような
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