自由な疾走/シホ.N
夜の街
光る街
沈黙の中へと
のみこまれてく街
あなたってばいったい
どこで何してるの
ぼくはこの街を
歩いているよ
クルマやバイクが
アスファルトの道駆けぬけていく
そのかたわらを
てくてく歩いてるぼくは
街の中
ひとりなんだと思う
あるスピードをもった連中は
走る列車の中で生まれ
時速100キロで
人生を走ってくのだという
立ち止まるぼくは
そんな彼らから見れば
時速100キロで
うしろのほうに捨て去られるのであり
けれども
だからぼくこそが
時速100キロの
自由な疾走をなしとげている
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