【とじひも】詩サークル「群青」八月のお題「漠」から/そらの珊瑚
 
とうめいの
とじひもが
ゆるむ
午睡から目覚めきれない
漠とした意識のなかで
たとえば
カムチャツカ半島からの
かえりみち

わたしはだれであったのでしょう

とうめいの
とじひもは
ときおり
ゆるむ
ぼんやり迷子にさせて楽しむように

とうめいの
とじひもが
しまる
たとえば
それは けものみち
獲物を追ってはだしで走った遠い記憶
野生のなごりといえば
出しっぱなしの
この爪だけ


[グループ]
戻る   Point(11)