SCHOOL/済谷川蛍
 
の約束をして……。

 「竹中さんいつも一人っすね」
 「エッ…」
 「俺は小林っていいます」
 竹中が他の学生たちと離れた場所でとうもろこしを収穫しているところに日焼けした男子学生が話しかけてきた。大人の学生がめずらしいので、竹中に対して何らかの好奇心が湧いたのだろう。
 「一人が好きなんすか?」
 「う、うん。まあね」
 竹中は作業に戻ろうとする。
 「学校に来る前は何してたんですか?」
 男子生徒の憚らない質問に竹中はぎくっとした。こいつ…少しは遠慮しろよ……と思ったが、かろうじて作り笑いを保ち、「森林警備のボランティア」とてきとうなことを言った。しかし彼には勿論そんな職
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