SCHOOL/済谷川蛍
回している。ライトアップされた観覧車のおかげで、周囲は明るい。隣のベンチではメガネをかけた女の子が小説を読んでいた。
「おーい、やっほー!」
元気な女子グループが放課後の解放された校舎で自由に振る舞っている姿は夢を見ているような不思議な感覚になる。竹中は腕時計を確認した。
「ごめん、待った?」
沖の声に竹中の胸はときめいた。白いワンピースに着替えていて、とてもよく似合っていた。
「いや、ちょうど7時だよ」
「どこへ行く?」
「そうだね……」
「ご飯食べながらお話でもしようよ」
「何を食べる?」
「Hansに行こうよ。なんだかそんな気分」
学校のプール
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